「双極性障害(躁うつ病)ってどんな病気?」「双極性障害(躁うつ病)への訪問看護ってどんなことするの?」と疑問に思っている方も多いかと思います。
双極性障害(躁うつ病)とは、うつ状態と躁状態を繰り返す精神疾患です。症状の現れかたはさまざまで、双極性障害(躁うつ病)と分かりにくいこともあります。
この記事では、双極性障害(躁うつ病)についての理解を深め、精神科訪問看護の必要性を知ってもらえるように病気や支援の方法についてまとめています。

双極性障害(躁うつ病)とは

「うつ病」と聞くと、どのような症状であるか想像できる人も多いでしょう。一方、双極性障害(躁うつ病)は、うつ状態だけでなく、活発になる躁状態を繰り返す精神疾患です。明るく元気にみえる躁状態になることもあるため、病気と認識されにくい傾向があります。
まず、双極性障害(躁うつ病)について理解してもらうために、症状や治療法について紹介していきます。

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躁状態とうつ状態を繰り返す

双極性障害(躁うつ病)は躁とうつの状態を繰り返します。
状態の変化の間隔は、数ヶ月から年単位と様々です。また、常にどちらかの症状を発症しているわけではありません。状態が変わるタイミングも人それぞれで、突然発症することもあります。
躁状態は気分が明るくなるので、うつ病と異なり病気であるという認識が持ちにくいことが特徴です。そのため、病院を受診することが遅くなることも少なくありません。

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躁状態のサイン

躁状態は気分がいいと本人は思いますが、極端な行動をとることが特徴です。本人は気分が良いので、病気と気づきにくいことがほとんどです。家族や同僚など、周りの方が異変に気づいてあげることも大切です。

“躁状態のサイン

  • 睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
  • 寝なくても元気で活動を続けられる
  • 人の意見に耳を貸さない
  • 次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
  • 根拠のない自信に満ちあふれる
  • 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む
  • 初対面の人にやたらと声をかける
  • 性的に奔放になる

出典: 精神保健研究所「こころの情報サイト」|こころの病気を知る・双極性障害(躁うつ病)

双極性障害(躁うつ病)の治療法

薬物療法と心理社会的治療が、双極性障害(躁うつ病)のおもな治療法です。それぞれについて説明します。

薬物療法

双極性障害(躁うつ病)の薬物療法では、気分安定薬や抗精神病薬を使用します。薬を飲むことで気分を安定させます。
何よりも、きちんと服薬を続けることが大切です。服薬を中断すると再発してしまう人が少なくありません。正しく服薬していきましょう。

心理社会的治療

以下のような心理社会的療法を行います。双極性障害(躁うつ病)は完全に治すということではなく、再発をさせないことが大切です。

家族療法
家族へ病気について理解してもらう治療法です。症状を安定させるためには家族の協力が不可欠です。
協力して治療できるようにサポートしていきます。
認知行動療法
うつ状態のときに、自分のことを認めてあげられるようにする治療法です。「自分は何もできない」と思うのでなく、「私はこんなことができる」と思えるようにします。
対人関係・社会リズム療法
対人関係のストレスを緩和させ、自分の生活リズムをとり戻す治療法です。双極性障害(躁うつ病)の誘因になる社会生活やふだんの生活のリズムの乱れをなくしていきます。
心理教育
病気であることを認識するための治療法です。行動や生活リズムを記録することで、自分を客観的に知ることができるようにします。

双極性障害(躁うつ病)の方への精神科訪問看護師の関わりについて

双極性障害(躁うつ病)は病気と認識しにくく、再発しやすい精神疾患であるため、ときに専門家の支援が必要な場合があります。
ここでは、双極性障害(躁うつ病)の方へ精神科訪問看護が行うサポートについて紹介します。

専門的な視点でサポートする

双極性障害(躁うつ病)は、症状が悪化する前に対策をすることが重要です。訪問看護師は、本人の状態をしっかり観察し、症状の悪化を早期に発見します。そして、精神科訪問看護師はエビデンスに基づく視点と知識で、一人ひとりに合ったケアを行います。
また、定期的に訪問するため生活リズムをつくりやすくなります。家族へ言えない悩みなどもしっかり聞いてくれるため、症状を引き起こす原因のストレスを取り除くサポートなどもします。
もちろん家族のサポートも行い、本人や家族が病気に立ち向かえるようにしていきます。

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精神科訪問看護はリライフにご相談ください

双極性障害(躁うつ病)はうつ状態と躁状態を繰り返す精神疾患です。初期の段階ではとくに、病気への認識が難しいことが特徴です。気分が良いときもあるため、うつ病のように精神疾患だと気づかないことも少なくありません。
浪費が激しくなった、眠らずに活動を続けるなど異変に気づいたら、まずは専門家に相談することをおすすめします。

訪問看護ステーションリライフは、精神科に特化した訪問看護ステーションです。精神疾患の場合は、本人や家族だけでは病気に立ち向かうことが難しいことも多いです。そのため、私たちリライフでは、専門家ならではの視点で、本人や家族をサポートしていきます。
双極性障害(躁うつ病)だけでなく、他の精神疾患でお悩みの方もお気軽にご相談ください。