統合失調症の方の自宅療養中にケアを行う訪問看護師について、ご存じでしょうか。
訪問看護師は日常生活のサポートや家族へのケアなどを行い、利用者さまが自宅で安心して暮らせるようにサポートします。

この記事では、統合失調症の症状や治療法、精神科訪問看護師によるケアについて解説します。ぜひご参考にしてください。

統合失調症とは

統合失調症の発症率は約100人に1人と言われ、誰にでも起こりうる精神疾患です。
思考や感情などのバランスが崩れ、行動や気分、人間関係になどに影響を及ぼします。

ここでは、統合失調症の症状や治療法について解説します。

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症状

統合失調症には大きく分けて3つの症状があります。

  • 陽性症状
  • 陰性症状
  • 認知機能障害

それぞれについて解説していきます。

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陽性症状

統合失調症の特徴的な症状には、実際には存在しないものを感じる幻聴があります。とくに他の人には聞こえない声を聴くことが一般的です。

また、妄想も一般的な症状で、他の人には信じがたいと思われることを強く確信してしまいます。例えば、自分に関連すると思い込む「関係妄想」や、他の人が陰謀を巡らせていると信じる「被害妄想」、見張られていると感じる「注察妄想」などがあります。

思考の整理が難しく、支離滅裂で脈絡のない発言や考えが増えるため、会話が途切れたり脱線したりすることがよく見られます。

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陰性症状

統合失調症の陰性症状は、意欲の低下や無関心、無気力などが含まれます。

やる気を喪失し、感情表現が乏しくなります。また、人との関わりを避け、社交的な活動が減少します。

そして、症状が生活全般に影響を及ぼし、人との交流を避け、孤立することがあります。

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認知機能障害

認知機能障害は、情報処理や思考能力に問題が生じる状態です。細かいことへのこだわりがありながら全体を理解しにくく、注意力が低下し、周囲の刺激に敏感に反応します。

言葉の意味理解が難しく、生活の日常手順も困難になり、部屋の整理整頓が難しくなります。

認知機能障害の主な症状は以下です。

  • 細かいことにこだわりが強い一方で、全体を把握することが難しい。
  • 注意力が低く、周囲の出来事に敏感で、集中しにくい
  • 言葉の裏にある意味や意図、比喩を理解しにくい
  • 部屋の整理整頓が難しく、散らかっている状態が続く
  • 掃除や洗濯、料理などの手順が理解しにくい

統合失調症の治療法

統合失調症の治療は薬物療法が中心です。おもに抗精神病薬が使われ、睡眠薬や抗不安薬も処方されることがあります。しかし、症状が緩和しても、自己の判断での薬の中断は再発リスクが高まるため危険です。

また、運動療法や作業療法、社会生活技能訓練(SST)が行われ、社会生活や人間関係のスキル向上を目指すリハビリも提供されます。統合失調症は回復可能で、過半数は回復すると言われています。ただし、苦痛に悩まされます。

治療技術の進歩があり、早い段階で適切な治療を受けることが極めて重要です。

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統合失調症の方への
精神科訪問看護師の関わりについて

住み慣れた場所で療養を続けていけるようにサポートすることが訪問看護師の役割です。利用者さまの状態をアセスメントし、1人ひとりにあったケアプランを組み立てます。

ここでは、精神科訪問看護師による統合失調症の方へのケアについて紹介します。

日常生活のサポート

利用者さまの生活スキルやセルフケアを観察し、日常生活での困りごとをサポートします。
食事、入浴、着替えなどの日常的な活動において、利用者さまが自立できることが目標です。

精神症状の確認

訪問看護師は利用者さまとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築きます。
そして、統合失調症の症状の変化を把握し、精神的なサポートを提供していきます。

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お薬の管理

統合失調症の治療には薬物療法が欠かせません。訪問看護師は利用者さまの服薬状況を確認し、副作用の有無や変化を確認します。また、定期的な医師の診察やお薬の調整のサポートも行います。

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家族へのケア

利用者さまの家族や介護者とも連携をとることが、訪問看護師の役割です。家族との関わりを通じて、疾患について理解してもらい、サポートできるように支援します。

社会福祉サービスとの連携

訪問看護師は、利用者さまの就労や社会復帰に関する相談にのり、サポートを提供します。職場復帰や社会参加を促進するため、適切な機関と連携し、必要な支援やプログラムへの連携を手助けします。

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精神科訪問看護は
リライフにご相談ください

訪問看護師は利用者さまの自宅で、薬物管理や症状の確認など、継続的なケアを提供します。

また、日常生活のサポートや家族との連携を通じて、患者が安心して生活できるようサポートします。訪問看護師がケアを提供することで、病気を持ちながらでも、より良い生活を築くことが可能となるでしょう。

訪問看護ステーションリライフでは、精神疾患をお持ちの方を専門に、ケアを提供します。統合失調症以外でも、うつ病や双極性障害、適応障害などでお悩みの方はお気軽にご相談ください。実績のあるスタッフが1人ひとりのニーズに合ったサポートを提供いたします。

参考: 厚生労働省「生活習慣病予防のための健康情報サイト|統合失調症」
厚生労働省「こころもメンテしよう|統合失調症」